寸鉄

No. 0008

野党の議員が内部告発による総務省の内部文書を元に国会で追及をしています。
告発メールを元に政府を追求したものの、そのメールが偽物であったことで
逆に責任を追求され議員辞職から自殺にまで至った事件が思い出されます。
この追求に対して、高市大臣が文書を怪文書とし、もしも偽物でなければ
議員辞職をすると啖呵を切っています。
そしていわゆるネットウヨや右派評論家たちが、虚偽文書であれば小西議員が
辞職すべきという書き込みも多く見られます。

しかし、これは完全に間違っています。真偽はともかく、文字通り怪文書であった
かつてのメール事件と異なり、内容の真偽は別にして文書の存在自体は認め、
行政文書であることを認めています。
政府は内容がでたらめだということで追求を躱していますが、大臣の責任という点に関しては内容の真偽は無関係です。
政府を追及するのに、政府が作成した行政文書を信用してその内容の追求をするのは当然のことです。追求した野党議員に真偽の立証責任はありません。行政文書の真偽を追求側が立証しなければいけないのならば、政府への追求も質問も何もできず、国会が無意味です。

もし、千歩譲って、この文書の内容が虚偽であったらならば、そんな虚偽の行政文書を
作った役所の責任であり、その監督責任のある大臣の責任です。
もちろん、内容が真実であれば、大問題であることは当然です。
すなわち、内容が真偽であるかどうかにかかわらず、いずれにしても大臣は
責任を取るべきということにならざるを得ないはずです。

しかし…そうならないところが日本の政治の、いや、社会の絶望的現状です。