私見偏見独白

No.057 歯科医院

少し前から違和感を感じていたのですが,
先週末に歯の詰め物がとれてしまったようです。
子どもの頃から歯医者にはお世話になりっぱなしでした。
当時は予約制など無く, 3時間待ちで3分治療というのが歯医者の常識でした。
大学受験のときに 通院時間がもったいなく鎮痛剤などを飲んで放置したのが原因で,
左右の上の奥歯を2本失いました。
以後, 数年ごとにブリッジの不具合が発生し,
歯医者とのおつきあいが始まりました。
抜いた歯の両隣の歯を支えにしてブリッジを作るのですが.
そのブリッジを支える歯にかぶせた冠に経年の摩耗でピンホールが空くのです。
それが原因で冠の内部で虫歯の侵食が進みます。
そのたびにブリッジの作り直すわけですが,
冠の内部で虫歯になった歯も治療が必要になります。
これを繰り返していると, ささえの歯も度重なる治療で弱体化してきます。
そして, とうとう支えの歯が縦に割れてしまいました。
こうなると抜くしかありません。その歯は一番奥の歯でした。
つまり…もうブリッジは作れませんTT
当時でもインプラントの技術はありましたが, 今以上に高価な治療で
見るからに貧乏人の小生は勧められることすらありませんでした。
まぁ、勧められても無理でした。インプラントで治療をしたとしても,
食べるものが買えなくなっては本末転倒です。
保険の範囲内の簡易な入れ歯を作りましたが, どうしてもなじめず,
結局使わずじまいです。以降, 固い物や歯ごたえのあるものは
右でしかかめなくなって現在に至ります。

医者嫌いで, なかなか医者に通うことはしない小生ですが,
右のブリッジも失ったら…と, 恐怖しました。
人生終了です。
歯医者だけは, ちょっとでも異常が発生したら, すぐに行くようになりました。
タイムマシンで過去に戻れるなら, 受験時代に戻って,
蹴飛ばしてでも過去の自分を歯医者に通わせたいと思わぬ日は…
ないとは言えませんが, しばしば思います。

さて, 今回もすぐに歯医者です。ここ40年近く通っているK歯科医院。
週明けの朝一番で出かけると, しまっています。
臨時の休診日かなと思い, その場で電話…なんと, 昨年中に廃業していました。
跡継ぎがいなかったのでしょうか。

さてさて, 困りました。家に戻り, ネットで近くの歯科医院を検索します。
近くで評判も良さそうな医院に電話を入れてみると, 予約の空きは
来週までありませんとのお言葉。
K医院などは, いつ行っても老人が数人いればいいくらいだったのですが…。
次の候補に電話。やはり今日の予約は一杯とのことでしたが,
詰め物がとれたという緊急事態を説明すると,
とりあえず来て, 少し待ってもらえれば, 予約患者の治療の合間で
応急の措置くらいは出来るかも知れないと言うことで
とりあえず行くことになりました。

S歯科クリニックさん。きれいな外観の建物で, 最近の歯科医院ぽい雰囲気です。
K医院をはじめ, 小生のイメージにある古典的な歯科医院とは大違いです。
受付を終え、待つことしばし, 名前を呼ばれて診察室に入りました。
今の歯科医は, 予防やケアを重視しているところが多いようですが,
ここもそのような医院でした。

小生のこれまでのイメージだと, 平日の午前中など
患者は老人ばかりだったのですが,
ここは若い女性ばかりです。
医院のスタッフも女性ばかりで, 小生の場違い感が際立っています。
どうも妊婦さんや小さい子の治療に来るお母さんに人気の医院のようでした。(^^;
小さくなって待っているところをかぐや様に見られたりしたら,
「お可愛いこと」
と言われてしまいそうですTT

診察室に入ると, 口の中をまず点検して…お小言の山ですTT
診察台に寝かされている小生を, 情け容赦なく滅多切りです。
ボロボロにされ, ようやく診察の開始です。
おお、レントゲンも顎全体をぐるっと一周してパノラマ撮影です。
該当の歯の部分も別途撮影です。
撮影後, ふたび診察台の上でお小言TT
歯周病の説明を一通り受け…

ええ、そんなことは知っていますけど…

まずは, 口腔内の清掃から。歯石取りみたいな感じ…。驚くほどの出血。

ああ、指定難病63なんですが…

ひととり清掃が終わると, とれた詰め物の穴をセメントで仮に塞ぎます。
ここまで80分ほど。予約患者の治療の合間としては, ずいぶん丁寧です。
で, 今日はお終い。次から虫歯の治療かと思いきや,
まずは歯周病の治療からと。それがすんでから虫歯の治療をするとか。
次回の予約をお願いして帰ってきました。

丁寧で, 設備も新しく, 良い歯科医院でしたが, 良い物には相応の対価が必要です…
今までのイメージよりも少々お高い金額でしたTT



追記:
一日おいて, ふたたび通院しましたが…
今回も待合室も診察室も, 患者は女性ばかり。
待ち時間で, 思わずこの歯科医院のWebページをチェック。
なんというか、ピンク色が多用されたいかにも若い女性向けのデザイン。
ママさんが仰向けになってラッコのように子どもをだっこしたまま
治療している写真などが載っていました。
トップページを隅から隅まで眺めましたが,
女性専用とは書いてありませんでしたが…。

今日は歯周ポケットのクリーニングとか。
要するに歯石取りプラスアルファなのでしょうか。
40年の間の機械の進歩を実感しました。
ほとんど痛くないのです。
痛いという歯石取りのイメージが一新されました。
しかし…懐の痛みは以前より大きくなっていました…(TT)