私見偏見独白

No.029 文房具(3)

補助軸(3)

(1)でクツワの補助軸を紹介しましたが, 少し以前は文具店などでは銀鳥産業の補助軸の方を良く見かけました。
当時クツワの補助軸がなかなか見つからなかった記憶があります。


(写真:銀鳥産業 ロング補助軸)
クツワはアルミと真鍮ですがこの補助軸は真鍮製です。
構造はどちらも同じですが, 鉛筆を固定するためのねじが, クツワは削り出しですが銀鳥はプレス加工のねじです。
当然ですが削り出しの方が精度も高くぐらつきません。
また, 締め付ける爪の部分もクツワは4分割ですが銀鳥は3分割ですので, 固定力もクツワの方が上です。
ただ銀鳥の方が先端パーツが細いので, 持つ部分が細い方が好きな人や, ローレットのギザギザを好まない人には銀鳥の補助軸がおすすめとなります。

アルミよりも真鍮の方が加工しやすい, 経年変化で味が出るなどの理由で, おそらくこの銀鳥産業の補助軸を基にしている, あるいはOEMと思われる高級版補助軸が存在します。
5桁の値段がつくような高級品は手元にない(買えないTT)ので, 手の届く価格のものをいくつか紹介しておきましょう。

(写真:ITO-YA ペンシルエクステンダー HJGK7 と HJGK3)
伊藤屋のプライベートブランドの補助軸です。
上は先端部分は銀鳥のロング補助軸と同一です。後ろの黒い部分は木軸で, 中は空洞ではありません。したがって補助軸の中に入る長さは3cm程度で, 使わないときに鉛筆を内部に収納しておくことはできません。
全金属製のものよりも軽いのがメリットです。
下は真鍮にラバー塗装を施したものです。 鉛筆立てに放置したままにしたらラバー塗装の表面に加水分解(?)が生じて 粘ってしまったのを拭き取ったらちょっと汚くなってしまった私物です。
新品は非常に質感の良い高級感を感じさせる補助軸で, 末尾のギザ部分を回して鉛筆の固定をします。
何か巧妙なギミックがあるのかと思いましたが, 現物を見てそのデザインのアイデアに感心した一品です。
下の写真が先端備品をはずしたものです。

ギミックなどなにもなくて, 単に銀鳥の補助軸の先端部分を長ぁ~く引き延ばしただけです。
まさにアイデアの勝利。

次の写真は銀鳥の補助軸を木で覆ったものです。

(写真:東京スライダー SLE木製補助軸)
木のカバーの分だけ一回り太くなってしまいますが, 太軸が好みの人には良いかも。600円弱と安価です。
ヴァリエイションとして末尾を切断して空洞を貫通させたもの「小次郎」と 両端に固定用のパーツをつけた「武蔵」があります。

(写真:東京スライダー SLE木製補助軸 両頭「武蔵」)
上の写真は「武蔵」で, 両端に赤と黒の鉛筆をつけています。
「小次郎」は私物が行方不明で写真がとれませんでした(^^;
両頭の補助軸は2色で使うほかに, 長い鉛筆を貫通させて2カ所で固定することでぐらつきなくしっかり保持できます。
まぁ長い鉛筆は補助軸は不要なのですが, 太軸が好みで鉛筆が長いときから両頭あるいは貫通型の補助軸を使う人もいるようです。


最後にもうひとつ紹介します。
伊藤屋のものと同じ構造で, 末尾部分を回転させて固定します。
真鍮の本体に古美仕上げを施したもので, なかなか味があります。1000円弱。

(東京子猫商会 オリジナル補助軸エクステリバー)