私見偏見独白
No.028 文房具(2)
027 を書いた後血小板の定期検診に行きました。
このところ鼻をかんでも出血はなく, 調子が良いと思っていたのですが,
検査の結果は23000。まずい数値です。
担当医は治療の開始も視野に入れ始めたようですが,
症状は出ていないので検査の頻度をあげて様子を見るとのことです。
次回の検査は1週間後になりました。
少々不安です・・・
補助軸(2)
さて前回の続きといきましょう。
補助軸は小生が小学生だった半世紀ほど前(TT)でもレトロ感のあるしろものでした。
小生の前の世代あたりだと使われていたのかもしれません。
すたれた原因は鉛筆を削る道具の変化にあったのではないかと思います。
小生より上の世代ではナイフで削るのが普通だったと思います。
ナイフといっても現在のカッターナイフではなく,
「肥後の守」という和風折りたたみナイフです。
(写真:肥後の守)
実物を所持していないのでamazonより引用した写真を載せておきます。
中央から折れるポケットナイフですが,
西洋の折りたたみナイフのような刃を固定する仕組みがなく,
背の部分にちょこっと出ている「ちぎり」と呼ばれる部分を親指で押さえながら使います。
使っている最中に押さえ損なうと握っている指を切ってしまう事故がおこります(>_<)
カッターナイフが普及する前に小学生が良く使っていたボンナイフとかミッキーナイフとか呼ばれていた
カミソリの刃を利用したナイフの本格的なものと思えばよいでしょう。
まぁ話は逆で, 肥後の守が児童には禁止されてしまったのでかわりに工作用として普及したのかもしれません。
そのボンナイフも今ではほとんど見かけなくなりましたが, まだ販売はされていますね。
肥後の守の他には「切り出し小刀」(単に切り出しともいう)が使われていました。
ポケットには入りませんが, 削るという点ではこちらの方が上です。
(写真:切り出し amazon より引用)
(写真:私物の切り出し)
「肥後の守」は普通に街の書店や文具屋に児童生徒向けに売っていましたが,
さすがに切り出しは大工や職人の道具で, 児童生徒向けには売っていませんでしたね。
しばらく前に小学生がナイフで鉛筆を削れないというのが話題になった時があり,
わざわざ学校でナイフで鉛筆を削る授業が設けられ,
危なくないナイフが小学生用に工夫されたりしましたが,
今はどうなっているのでしょう。
そのころ作られた「くじらナイフ」も使っていたことがあります。
(写真:くじらナイフ)
子どもたちに本物の刃物をというコンセプトで, 先端をあまりとがらせず安全性を(少し)高め,
鉛筆を削りやすいように両刃にしてあります。
(和刃物は基本的に片刃で両刃よりも扱いに技術が必要なのです)
1年ほど前から自宅ではスウェーデンのモーラナイフを鉛筆削りとして使っています。
これは本来カービング用のナイフですから木を削るのには良いですね。
(写真:モーラナイフ)
閑話休題
ナイフの話になってしまいました(^^;
ようするに, 小生の上の世代の人たちはこのようなナイフを使って鉛筆を削っていたのです。
鉛筆を削るだけではなく, 工作の時間などでも活躍していました。
ところが1960年のある事件をきっかけに, 児童生徒から刃物が取り上げられてしまったのです。
当時の社会党委員長の浅沼稲二郎が17歳の右翼少年によって演説中に刺殺された事件です。
この事件をきっかけに子どもに刃物を持たせないようにする運動が巻き起こり,
肥後の守も切り出し小刀も教室から消え去ったのでした。
鉛筆は手回しの鉛筆削り機かハンディの小さな削り機, あるいはかろうじて許されたボンナイフで削るしかなくなったのです。
いずれを使っても補助軸を使うほど短くなった鉛筆を削るのは困難です。
これが補助軸が使われなくなった原因ではないかと思います。
それに加えて,
ちょうど日本が豊かになりつつあった時代なので,
短くなった鉛筆をさらに使おうとしなくても良くなったということもありました。
こうして廃れてしまった補助軸ですが,
最近ではエコとか「もったいない」の精神から少し見直されている気がします。
補助軸の話は次回にということで(^^;