私見偏見独白

No.001-20 サンチャゴに雨が降る

今日は9月11日、合州国で2001年のこの日に起こった同時多発テロを
メデイアが振り返って報道しています。
アル・カイーダが表舞台に登場した日でした。

この日はまたネオリベ(新自由主義)が表舞台に登場した日でもあります。
1973年9月11日、この日、利権を有する米国多国籍企業と合州国政府などに
操られたチリ軍部によるクーデターで、アジェンデ政権は倒されました。
アジェンデ大統領は、首都サンチャゴの官邸で最後まで抵抗し死亡しました。
自殺とされています。

アジェンデ政権は、革命やクーデターなどではなく、合法的な自由選挙で選ばれた
世界初の社会主義政権でした。合州国などからの経済制裁などの圧力で
国民の苦しみは進みましたが、アジェンデ大統領への支持は最後まで減りませんでした。

世界は2つのことを学びました。

革命やクーデターに寄らずとも、社会主義、共産主義は実現できること。
平和的な社会主義政権は合州国によって倒されること。

今なお世界に平和的にできた社会主義国家はありません。
チリは、その後長きにわたってピノチェト軍事独裁政権に支配されました。
クーデター後しばらくは合州国の援助と投資により、
経済が発展してチリの奇跡と称されましたが、
その後はガルシア・マルケスの『戒厳令下チリ潜入記』(岩波新書)に描かれた通りです。
合州国の望んだ親米政権です。

思えば、アル・カイーダもまた、当時の親ソ的なアフガニスタンの政権を倒すために
合州国によって育てられたテロ組織でした。
アフガニスタン紛争以前の、カブールの様子をネットで検索することができます。
流行のミニスカートを身につけた女性が歩くカブールの町の姿は
欧州の国々の町の姿と変わりません。
親ソ政権を倒しソ連の介入を排したアフガニスタンの
今の姿はイスラム原理主義が支配する紛争地域です。
合州国の望み通り、親ソ政権は排除されました。

新自由主義は今も世界を、そして日本を支配しています。