私見偏見独白

No.001-17 与太話(16)

2020年に施行された香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」(以下ゲーム条例)に対して、
高松市の男子高校生とその母親が憲法違反として県を提訴していましたが、
高松地裁にて合憲との判断がなされました。

名前だけ聞くと、特に問題はなさそうな条例なのですが、
望ましい家庭のありかたを行政が決めるという面があり、
また制定のプロセスの不透明さに問題がある条例でした。

これは親学など、自民党保守派や日本会議、そして今話題の統一協会が主張する
家父長制的な考え方がベースになっている気がします。
元号法制化で成功した地方から積み上げて国政に反映させる草の根保守の戦略です。
多くの自治体で家庭教育支援条例が成立しています。
個々の家庭が置かれる状況を無視した、
「僕(保守派)の考える理想の家庭」をめざす条例です。 夫婦別姓制度やLGBTへの嫌悪にもつながりかねません。

あ、今回は与太話ですから、まじめな話は別の機会にゆずることにしましょう。

条例では「日常生活、社会生活に支障が生じている状態」を防ぐためと
うたわれています。そのため18歳未満のゲームは1日60分(休日90分)までと例示されています。
ぜひこの目的を確実に実現するため、香川県にはぜひ、
学校教育の場で徹底した指導をしてもらいたいと思います。

すなわち、親子が接する時間を確保し、望ましい家庭を実現するため、
野球・サッカーその他すべての部活動の長時間の活動を禁止しましょう。
え、運動は違うですか。
条例はネットゲームではなく、ネットとゲームを対象にしていますよね。
ネットゲーム以外にスマホの使用も対象にあげていますから、
「ネット・ゲーム」が意味するところは「ネットおよびゲーム」であることは明白です。
野球もサッカーもバレーボールもバスケもゲームです。

一日60分、休日90分ですかね、条例の例示にしたがうならば。
夜遅くまでの長時間におよぶ練習、特に休日の朝から夜までの練習は、
あきらかに「日常生活、社会生活に支障が生じている状態」だと思います。
生徒を家庭にかえし、親子のふれあう時間を確保して理想の家庭をめざしましょう。