私見偏見独白

No.001-16 不気味の谷

最近河野大臣が使っている口元が透明になっているマスクについて,
ホリエモンこと堀江貴文氏が「気持ち悪いマスク」と twitter でつぶやきました。
これまでもしばしば炎上を起こしている氏のつぶやきですが,
聴覚障害者への配慮のためであるという指摘に対しても
それならマスクをするなと反論し, またまた炎上しているようです。

ここでは, 炎上の要素のひとつになっている「気持ち悪い」という表現について考察してみましょう。
というのは, 実は小生もあの透明マスクに対して気持ち悪さというか不気味さを感じるからです。
聴覚障害者への配慮だということは承知しています。それでも不気味さを感じてしまうのです。
実際に使われて良い評価を受けているので, 気持ち悪さを感じない人も多いのでしょう。
不気味に感じる小生は少数派?
う~む, やることなすこと考えること, 小生はすべてに渡って少数派に属するようです(TT)

ロボットに関連する心理的現象で,「不気味の谷」という現象が知られています。
根拠のない疑似科学だという人もいますし, 科学的定量的に分析されてはいないようなのですが,
実際に遭遇する場面がすくなくありません。

人形のロボットが機械っぽく見えるうちは不気味さを感じません。
それがだんだんと進歩して外見がリアルな人に近づいていきます。
そのリアルさがある程度を越えたとき, 何か奇妙な不気味さを感じる人がでてきます。
さらに進歩して, 完全に区別がつかないくらいリアルになると不気味さがなくなります。
人工物からリアルな人間に似ていく過程で, 不気味さを感じる時期を「不気味の谷」と呼ぶのです。

マスクのデザインというかファッションで, 隠れている口をマスクにプリントしたものがあります。
これも悪魔や猛獣のような非人間的な口だと, 怖さを感じることはあっても気持ちの悪さは感じません。
ところがリアルな人間の口がプリントされていると不気味さを感じるのです,
すくなくとも小生は感じます。
これも「不気味の谷」現象のひとつなのではないかと思っています。
だからといって, ホリエモンのように, 気持ち悪いから止めてくれと言うことは
小生にはできませんが……。

…でも…ちょっとだけ。

透明部分の素材はプラスチックの類で,
不織布や布と比較したら空気の透過率はないも同然かと思います。
つけている人は呼吸が苦しくはならないのでしょうか。
ならないとすれば透明部分以外から通常マスクより多く呼気吸気をしていることになり,
肝心のフィルター機能が損なわれてるんじゃないかという点が心配なのですが……