しかし, 与党の改憲の本当の目的はそこにはなさそうです。
九条などはもう変更する必要性をほとんど感じていないでしょう。
自衛隊の違憲論議など学者の言葉遊びくらいにしか思っていないと思います
実際, 集団的自衛権にかかわる安保法制を成立させ,
さらには, 核兵器の保持, 敵基地への先制攻撃も九条のもとで可能であると政府は公言しています。
国民の広範な反対を示す具体的行動は何もなされず,
選挙ではその与党が圧勝を重ねています。九条は事実上ないも同然です。
改憲の本当のねらいは国民主権と個人の人権にあると思います。
自民党の改憲草案のポイントは公表された草案を見る限り
国民主権の否定:国の主権は天皇にある。民草は従うのみ。
個人の人権の否定:人権があるのは家の長(家父長制)。女子供に人権はない。
政教分離の原則の削除:国家神道の復活(それとも, まさか統一教会を国教なんてことに?)
にあります。
九条ばかりを争点にしてもっとも大事な点を見失ってはならないと思います。
おまけ
議論における(悪い意味での)テクニックに, 質問に質問で返すという方法があります。
九条に関する議論に応用してみましょう(^^;
●「中国やロシアが攻めてきたらどうするんだ」
○「中国やロシアに日本が侵攻したらどうするんだ」
●「中国やロシアに日本から侵攻するなんてありえないじゃないか」
○「中国やロシアが日本に侵攻するなんてありえないじゃないか」
元寇の時代は別にして, 近代以降では中国やロシアが日本に侵攻したことはありません。
一方, 日本が中国やロシアに侵攻したことはあります。