緊急に受け入れたウクライナからの難民のペットへの対応がニュースになっています。
法律では海外からのペットの持ち込みは検疫が必要です。
今回問題となっているのはその費用です。検疫は民間委託になっていて,
ニュースによれば今回問題となっている小型犬の場合は1日3000円だそうです。
検疫期間は最長で180日とのことで, 他の費用と合わせて54万6000円になるとか。
費用の負担ができなければ検疫が出来ず, その場合ペットの犬は通常殺処分されます。
ネット上ではペットも特別扱いでなんとかするべきという主張が大部分です。
難民を受け入れると決めた以上, ペットの検疫費用は請求すべきではないという人,
さらには検疫もしなくていいという人, ペットは家族と同じという人, さまざまですが,
ペットの扱いに対して国を批判する人が圧倒的多数です。
同じような問題が国内の場合でも起こります。東日本大震災や阪神神戸大地震など大きな災害で
避難所が作られるたびに, ペットの持ち込みを許すかどうかで問題になります。
ペット同伴での避難が拒否され, 避難所に入れなかった人が多数いました。
ところで非難の声を上げる人の多くは愛犬家のような気がするのですが, どうなのでしょうか。
猫も多く飼われていると思いますが, 猫は黙認されてたりするケースがあるのでしょうか。
国内の災害の場合でもペット同伴での避難を認めるべきだという声が大きいのですが,
一律拒否には費用の問題だけではない点もありそうです、
たとえば避難所に同伴されたペットが大きなトカゲやワニ, カミツキガメだったり,
巨大なアミメニシキヘビや毒蛇類でも同じように受け入れるべきでしょうか。
あるいは先日ニュースになったピットブルのような犬種でも受け入れますか。
災害などでの緊急時ではいちいち個別に安全かどうか判断している時間はないことを考え
一律禁止としているのではと思いますが, 一律拒否を非難する人はどうすれば良いと思っているのでしょうか。
「じゃぁ, うちのタロウくん(巨大カミツキガメ)もいいんですね。」
「ありがとう, わたしもポチ(1mのアリゲーター)を連れて行きます。」
「わたしもハナちゃん(5mのかわいいニシキヘビ)と同伴でおねがいします。」
という飼い主さんもOKなんですよね。
ペットは家族の一員という人は
「えっ, トカゲや蛇, そんなの飼う人の気が知れない!気持ち悪いもの連れてこないで!」
なんてことは言いませんよね。
追記:何人かの裕福な著名人が検疫費用の負担を公言もしたが,
政府は検疫なしを特例として認めてしまったようです。
検疫費用を国が支出するくらいが落としどころかなと思っていたのですが,
一般の国民の安全のためには1円も使いたくないということなのでしょう。
付記:報道では触れられていますが, 念のために付記すると,
動物の検疫の大きな目的のひとつは狂犬病が理由です。
海外では少なくない死者を出している狂犬病ですが,
海外で咬傷を受け帰国してから発症した数例を除き,
日本では人の発症は1956年を最後にありません。
数少ない狂犬病清浄国です。
もしも狂犬病が国内に持ち込まれた場合, これに対応できる医療資源(医師, 薬品など)はないと思われます。