私見偏見独白

No.000-88 続・本人確認

ネットで面白い疑問が紹介されていました。
今回の投票はハロウィーンに当たっているのですが,
ハロウィーンの仮装で投票できるのかという疑問です。

総務省の見解は
「投票所における服装に関する規定はありません」
「個々の判断は各自治体の選挙管理委員会や投票管理者がすることとなります」
とのこと。公職選挙法では
「投票所の秩序保持」
という項目が60条で規定されているので, 騒ぐなどお祭り気分の行動を取ると規制されるかもしれませんが,
現場のひとつである東京都選挙管理員会の担当者は
「仮装が可能かどうかと言えば、可能です。粛々と投票していただく分には問題がありません」
との見解だそうです。

ここまでは妥当な見解かと思いますが, そのあとで付け加えられた見解が問題ではないかと思います。
「ただし本人確認があるため、顔がわからないようなメイクや仮装は避けていただきたいと思います。」
これの何が問題か。
だって写真付きの身分証明書での確認なんてしてないのですから。
受付にある選挙人名簿だって写真なんてついていません。
ではどうして顔をみて本人確認になるのでしょうか。
想像できる事がひとつあります。
投票所に詰めている人は町内会長とか自治会長とか, その町の有力者がやっているケースが多いようです。
そう, 投票者を見て町内に住んでいる人かどうかを判断しているのです。
100%判断できるはずもありませんが, 地方になるほど判断できる割合はあがることでしょう。
誰に投票したかまではわかりませんが, その人が投票に来たかどうか, 町の有力者が知ることが出来るわけです。
投票の秘密は誰に投票したかだけではなく, 投票したかどうかも秘密にされなければなりません。

町の有力者がその町の投票所を仕切ることが問題です。
その町に無関係なひとに任せるべきだと思います。
その場合は投票に来た人を見て本人かどうかは全く判りませんから,
身分証明書などのきちんとした本人確認が必要となるはずです。
だって本人確認のために顔が見えることが必要だというのですから。

地域の有力者が自分の地域の投票所を仕切る仕事をすることに疑問を感じさせる投稿がインターネットでありました。
我らが群馬県の人で何十年もずっと投票所に一番乗りをしている人の話が報道されました。
投票所に一番乗りをすると特典(?)がひとつあります。
それは投票箱が空であることを確認する仕事です。
はじめから誰かの票が入れられていないことを確かめる訳ですね。
確認したことを書類に署名することで記録に残すのだそうです。
その報道をみてインターネットに投稿がありました。
その人の娘さんはその特典を経験したくて5時半頃から投票所に行き, 一番手で待っていたそうです。
すると間もなく開始時間という頃にその町の有力者の一団がやってきて,
その娘さんを無視してその仲間内で最初に投票し「空であることの確認作業」をすませてしまったとか。
抗議しても「まぁまぁ・・・」などとごまかされてしまったそうです。
娘さんは以後当日投票にはいかないと決め, 期日前に投票しているそうです。
そのときの投票箱は本当に最初は空だったのでしょうか。
野党は積極的に各投票所で支持者を一番乗りにさせることを考えた方が良いかもしれません。