こんな心理学的実験があるそうです。
被験者はマジックミラー越しに汚れた身なりのホームレスらしき人物を見せられます。
そして次のように言われます。
「私たちはこれからあの人物に100万円をプレゼントするつもりです」
「しかし, あなたが私たちに100円を支払うならば, 100万円のプレゼントはやめにします」
「さぁ, あなたはどうしますか?」
純粋に自分の利益を考えるならば何をすべきかは明白です。
なにもしなければ, あなたとホームレスの利益は
被験者:±0円 ホームレス:+1000000円
100円支払えば
被験者:-100円 ホームレス:0円
そう, 何もせずホームレスに100万円持ち帰ってもらうのが被験者には最適です。
しかし, 他人の幸運にねたみを感じるのか,
多少の犠牲を払ってでも他人の幸運を邪魔する行動をとる人もいるようです。
この実験を各国で行った結果,
100円を支払ってホームレスの幸運を邪魔するという選択をした人の割合が一番高かったのが日本人であったという話です。
あっ, もちろん金額はその国の通貨に合わせますよ, あたりまえ。
さぁ, あなたならどうしますか?
もとよりソースも不明な怪しげな話であり, 都市伝説の類かと思います。
にもかかわらず妙に納得してしまう所があります。
それは自分以外の誰かが得をしたり楽をすることに対して反感をいだく場面を目にする,
あるいは自分自身が感じてしまうことが多々あるからではないでしょうか。
たとえば職場で, いつも定時に帰り, 有給も残らず使う人物,
学校であれば, クラブ顧問を引き受けず, 就業時間外の補習なども行わない教員,
そんな人物に反感を感じてしまう。
そんなことは普通にありそうです。
在職中の自分自身を振り返ってみても, 反感を感じた時もあれば, 反感を受けているなと感じたときもあります。
常に感情ではなく合理的に判断したいと思っていてもこんな有様です。
物心着く前からすり込まれた国民性といえるでしょう。
その結果が義務や必要がなくても全員が同じ苦労をするという悪い方への形式的"平等"です。
支配者だけが得をして他の全員が敗者となる村八分社会のできあがりです。
他人の権利をつぶすことで自分自身の権利もつぶしてしまう,
日本の労働者がおかれている状態がまさにそうではないかと思います。