ある県の県立高校の教員が, 生徒の奨学金申請書類をファイルにはさんだまま申請期限までに処理し忘れて,
該当生徒の申請が受け付けられなかったというニュースが報じられました。
この類のニュースはときどき報じられます。多忙な教員に同情を寄せる人もいますが,
教員の無責任を批難する反応が大部分です。
教員の働き方改革や業務の整理が言われる昨今, この類の事務仕事についても考える必要があると思います。
たとえばセンター試験,これからは大学入学共通テストですか,
センター試験のときと同様に高校ごとにとりまとめて出願することになると思います。
個人個人がばらばらに送付するのに比べて, 大学入試センターの事務作業は大幅に軽減されます。
しかし, 事務作業の一部が高校の担当教員や担任に移っているだけで,
事務作業の総量が減っているわけではありません。
指定推薦の入試も同様ですね。
今回ニュースになった奨学金の申請も同じです。
本来, 生徒個人と関係団体の間の手続きを学校や担任を関与させることで, 関係団体の事務処理の手間を軽減する。
その事務処理がすべて教員にかかってきます。
仮に学校が引き受けるにせよ教員がかかわるのは調査書の作成や推薦書の作成までで,
それ以外の作業は事務職員の範疇かと思いますが,
その事務職員が不足です。公立の学校など一人しかいないとことが大部分ではないかと思います。
極論すれば,
(本当に極論か?)
あらゆる出願は関係団体と出願者の責任で行い,
学校や教員は推薦書や調査書などを作成して生徒に渡すだけとすべきではないかと思います。
これならば生徒側からみても,
自分のミスではない他者のミスで出願できなかったという理不尽な目にあうことが避けられます。
なんでもかんでも学校に依存している(学校に丸投げしている)状態がコロナ禍の休校措置によってあぶり出されました。
それは世の中の学校や教員に対する意識の問題もありますが, それを受け入れてしまう,
あるいは積極的に"活用"している行政の問題であります。
部活動顧問の問題が典型ですが, 根本は残業代ゼロで際限なく働かせることができる特給法が問題です。
これの改正(廃止?)が必要かと思います。
もっとも, 仮に特給法が廃止されても,
世の中の学校や教員の仕事に対する意識が変わらなければ,
残業代ゼロという状態がサービス残業に変わるだけと想像できてしまうのが・・・