私見偏見独白

No.000-24 税金泥棒

ホリエモンこと堀江貴文氏が創業したインターステラテクノロジズのロケット打ち上げが5度目の失敗に終わったという ニュースをみました。
これまで実験的なものをのぞいて6回の打ち上げを試み, 1回だけ成功(宇宙空間に到達)しています。

氏は社会的弱者や庶民を上から目線で馬鹿にするような成金的発言をしばしばネットに投じています。
その一方で財界や首相の「お友達」に加わりたいのか, 政権を擁護するような発言も良くみられます。
そんなわけで嫌いな人物なのですが, ベンチャーを立ち上げ, クラウドファンディングで資金を募るなどして 宇宙への夢を実現しようという試みは少しばかり評価していました。 しかし, 金持ちが自腹をきって夢をかなえようというではなく, 税金をもらって宇宙事業でもうけようという話だったようです。

このインターステラー社は2015年度から研究委託費をもらっていて, その金額は今年度は5300万円です。
それほど巨額という印象を受けませんが, この委託費はインターステラー社とJAXAのみが受けていて, JAXAへの研究委託費は2億円弱です。
なんの実績もないベンチャー企業が歴史も実績もあるJAXAの4分の1の委託費を得ているのです。
アベノマスクを実績のない会社がいきなり受注したのと違って, この事業で利益を出しているとは思えませんから, 単純に税金を私物化しているのとは異なりますが, 自分の事業に税金を引き込むという点で, ホリエモンもただの成金から権力者の一角に食い込み始めているのかもしれません。

ところで合州国では SpaceX 社が民間で衛星の打ち上げ事業を展開しています。 これも当初は資産家のイーロン・マスクの道楽かと思っていましたが, 最近では商業ベースに乗ってきたようで, 実績も積み重ねています。 これと同じようなものかと思っていたのですが・・・

閑話休題
「税金泥棒」という言葉は公務員を叩くときにしばしば使われますが, むしろ権力と結びつき, 補助金などの名目で税金を不当に得て自分の利益とする一部の民間企業(電通とか, 電通とか, 電通とか・・・) こそが税金泥棒だと思います。インターステラー社は今後の実績次第というところでしょうか。

ところで, 民営化すなわち民間ベースで事業として成り立てば良いことかというと, 必ずしもそうとは言えない気がします。
去年だったか, SpaceX社が軌道上に大量の民間衛星を打ち上げ, その反射光が天体観測の障害になっているというニュースをみました。
国家的な事業として行う場合には, 自国以外とも調整を図ってある程度の規制の下にやっているはずですが, 民間ベースではそのへんが心配です。

民間でなくても, 各国との調整もなく重大な影響をおよぼす実験というか宇宙開発を行う「ならずもの」国家もあります。
宇宙開発の歴史上取り返しのつかない最大の暴挙だったと思うのですが, イスラエルがクマムシ(の卵?)を月面にばらまくという計画を実施したのです。
クマムシは地球の土中に普通に存在する小さな生物で, 常識を越えた厳しい環境に耐えることで有名です。
イスラエルの意図は不明ですが月のテラフォーミングの可能性でも探ろうとしたのでしょうか。 この実験のせいで, すくなくとも生命の起源を探るための月面探査はこれで終わってしまったと思います。
今後生命に関する大きな発見が月面でなされても, それが月オリジナルのものなのか, 地球由来のクマムシの影響なのか確信が持てなくなってしまったのですから。
科学に対する人類の歴史上最大の犯罪だったと思います。 今後, 生命の起源に関する研究に月は使えなくなってしいました。

最近では惑星探査の目標が月から火星に移ってきているようですが, イスラエルが再び暴走して火星に ゴキブリを送り込まないよう世界各国は監視しないといけませんね, 大変なことになるかもしれませんから・・・


人間はな、弱いんだよ。
(バグズ2号 第五班班長 アドルフ・ラインハルト)