私見偏見独白

No.000-17 苛政猛虎

「苛政は虎よりも猛し」と読みます。
高校時代の漢文の教科書にあった話と記憶していますが, 四書五経にある孔子のエピソードのひとつです。
(いやぁ, 漢文の授業は嫌いで内職に励んでいたんですが, 結構覚えているものですね)

旅をしている孔子が3つの墓の前で泣いている婦人に理由を尋ねると,
「舅が虎に殺され, 夫も虎に殺され, 今度は息子も虎に殺されました」
と答えます。なぜ危険な地に住み続けるのか問うと
「この地では厳しく税を取り立てられる心配がないから」
と答えたのです。孔子は弟子たちにタイトルの言葉を発したといいます。

孔子過泰山側
有婦人哭於墓者而哀
夫子式而聴之
使子路問之曰
 子之哭也
 壱似重有憂者
而曰
 然昔者吾舅死於虎
 吾夫又死焉
 今吾子又死焉
夫子曰
 何為不去也

 無苛政
夫子曰
 小子識之
 苛政猛於虎也

さて, 再び感染者数の増加に転じ, 流行の第二波が懸念されるコロナ禍ですが, 意外な事実があります。2020年の4月の自殺者数が一年前の20%減だそうです。
4月は緊急事態宣言による自粛と休業で, 収入減などから生活苦や失業に苦しむ人が増えた時期で, 経済苦やコロナ禍の恐怖からの自殺が増えてもおかしくないのですが, 逆に2割も減っていたのです。 断定はできませんが, 休業だったりリモートワークなどで職場に出なくても良いことが影響してる気がします。 (学校も休校だったし・・・)

過酷な職場が人を殺していたことを示唆するデータだと思います。
日本の職場はコロナよりも猛し・・・